ピアノ用の椅子の種類
ピアノ用の椅子には様々なタイプが存在します。
ピアノを演奏する際には、単に座るだけでなく、適切に体重を前に乗せ、背筋を真っ直ぐにして安定感を保つことが重要です。
ここでは、ピアノ用の椅子の種類や選び方、そしてその使い方について説明します。
アコースティックピアノ用の椅子は、主に二つのタイプに分類されます。
背もたれ付きで高さ調整がレバー式のものと、背もたれがなくダイヤル式で細かく高さ調整が可能なベンチタイプがあります。
多くの人が想像するのは、四本足で黒い格子状の背もたれが特徴的なクラシックなピアノ椅子でしょう。
これらは、特に学校やピアノ教室、公演などで一般的に使用されています。
発表会などで演奏者が次々と変わる際には、レバー式の高さ調整が有効です。
それにより、演奏者は自分に合った高さを迅速に設定し、観客を待たせずに演奏を開始できます。
また、ステージ衣装での演奏時の緊張を考慮しても、すぐに高さを調整できる利点は大きいです。
一方で、ダイヤル式の椅子は細かい高さ調整が可能であり、長時間のリサイタルや上級者のコンクールで好まれます。
これらは座り心地が良く、長時間座っていても疲れにくい構造になっています。
また、電子ピアノ用にはオフィス椅子のようなガス圧式の高さ調整が可能な椅子や、固定高さの椅子もあります。
さまざまな椅子があるため、実際に店頭で座り心地を試してみることをお勧めします。
高さ調整の方法
ピアノ椅子の高さ調整方法は、椅子の種類によって異なります。
背もたれ付き椅子の高さ調整
背もたれが付いた椅子では、まず背面にあるレバーを見つけます。
このレバーを軽く横にスライドさせることでロックが解除され、椅子の高さを調整できるようになります。
その後、椅子の中央部分に位置する二つのレバーを持ち、これらを上下に動かすことで高さを変更します。
高さを調整した後は、二つのレバーを離して固定し、最初に操作した小さいレバーを元の位置に戻して再度固定します。
操作中は急がず慎重に行うことが重要で、無理な力を加えると椅子が傾くことがあるため注意が必要です。
ダイヤル式椅子の高さ調整
ダイヤル式の椅子の場合は、ダイヤルを回すことにより高さを調整します。
このタイプでは、最低位置から最高位置まで、希望の高さに合わせてダイヤルを回し続ける必要があります。
ダイヤルを操作する際は、無理な力を加えずにゆっくりと回すことが重要です。
背もたれ付き椅子に比べて、ダイヤル式の方が簡単に操作でき、怪我のリスクも低い傾向にあります。
しかしながら、乱暴に扱うと故障の原因になる可能性もあるため、やはり丁寧に扱うことが推奨されます。
正しいピアノ椅子の座り方
ピアノ演奏時の正しい姿勢を保つためには、椅子の座り方が非常に重要です。
高さを調整する際には、次の点を考慮してください。
●座る位置
椅子の前方の半分から三分の二の位置に座ります。
深く腰掛けすぎず、適切な位置に座ることで、バランスを保ちやすくなります。
●足の位置
両足は床にしっかりとつくようにします。
右足はダンパーペダルの近くに置き、左足は少し後ろにオフセットしてください。
この足の配置により、前方へ体重をかけやすくなります。
●背筋の伸ばし方
背筋をまっすぐに保ち、両手を鍵盤にのせた際、肘と手首が鍵盤と水平になるよう調整します。
これにより、過度に肘を曲げることなく、リラックスした状態で演奏できます。
●子供用の設備
小さな子供がピアノを弾く場合、足が床に届かないことがあります。
その際は、適切な高さの足台を用意し、しっかりとした支持を提供することが大切です。
足台も高さ調整可能なものを選ぶと良いでしょう。
椅子選びのポイント
自分に合ったピアノ椅子を選ぶには、実際に多くの椅子に座り、弾き心地や座り心地を確かめることが重要です。
なお、国産と外国産の椅子がありますが、国産のものが一般的に品質が高い傾向にあります。
しかし、価格が重要な要素である場合は、中国製などの安価な外国製品も選択肢として検討できます。
以下は椅子選びの際の主要なポイントです。
背もたれあり・レバー式
メリット：高さ調整が簡単、安定感があり、教室などでの共通の高さに設定しやすい。
デメリット：微調整が難しい、座面が硬い場合がある、価格が高め。
背もたれなし・ダイヤル式
メリット：高さの微調整が容易、クッション性が高く長時間座っても疲れにくい、比較的安価。
デメリット：高さ調整に時間がかかる、背もたれがないため寄りかかることができない。
まとめ
ピアノの椅子はただの座具ではなく、演奏の質に直接影響を及ぼす重要な楽器の一部です。
購入時は慎重に選び、長期間快適に使用できるものを選ぶことが望ましいです。
自分に合った椅子を見つけることで、ピアノ演奏の楽しさと技術が向上します。
